

バリアフリーの取り組みは、いつから始まったのでしょう?世界にバリアフリーという言葉が広まったのは、今から約40年前のことです。なので、それほど長い歴史があるわけではありません。そのはじまりから、日本での取り組み、これからのバリアフリーなどについて見ていきたいと思います。
そもそもバリアフリーの歴史のはじまりは、1974年に国際連合が国際連合障がい者生活環境専門家会議報告書「Barrier Free Design」を発表したこと。それで、バリアフリーの考え方が全世界に広まっていったとされています。この報告書が発表される前は、標準的な体格の人の身長や体重、運動能力をもとにした想定上の人物に合わせて、建築物などを整備していました。ちなみに、この想定上の人物は“ミスター・アベレージ”といいます。ところが、なんらかの障がいがあるなど、想定外の人が使えなくなっていると、報告書には書かれています。さらに、障がいのある人にも公共の施設や交通機関を使う、住まいをえらぶ、教育を受ける、はたらく、文化に触れるなどの権利があり、その実現のために環境をととのえることが必要と訴えました。
日本でバリアフリーの取り組みが始まったのは、1970年代はじめのことです。日本での歴史もあさく、仙台で「福祉のまちづくり」がスタートしました。2年後に開かれた「福祉のまちづくり市民のつどい」が開かれたのをキッカケに、全国各地へと広がっていきました。1973年には国土交通省(当時の建設省)が老人、身体障がい者、ベビーカーなどの通行の安全のための通達を出したりしましたが、それからしばらくは何の変化もありませんでした。そんな中、急にバリアフリー化が進み始めたのは、1981年が「国際障がい者年」と決められて以来、いろんな対策が行われてきました。アメリカでは、1990年に「ADA(障がいをもつアメリカ人法)」が成立したのをキッカケに、日本でもさまざまな法律がつくられていったのです。
まちの中が整備されていると、だれもが住み慣れた土地で安心して生活していくことができます。もちろん、それは高齢者や障がい者にとっても同じこと。では、そういった環境をつくるにはどうすればいいのでしょう?まち全体をよく観察して、建物や公共の交通機関、道路などをバリアフリーにしたり、防災・防犯対策などをしっかり行っていかなければなりません。まちのバリアフリー化が日本でも進んできてはいますが、外国とくらべれば、まだ遅れているところもたくさんあります。一人ひとりが、自分たちのまちを住みやすくしたいという気持ちをもつことが大切です。
また、福祉のまちづくりに関するいろいろな制度をもっと広げること、そのまちづくりにかかわる人を育てていくこと、高齢者や障がい者を含めた地域の人たちが意見を言いやすいしくみづくりなどもしていく必要があります。こういったことはバリアフリーのソフト面ということになりますが、このソフト面についてくわしくは別のページで説明しているので、そちらを読んでくださいね。
バリアフリーに関する国内外の取り組みを表にまとめてみました。年々、さまざまな法律ができて、バリアフリーなまちづくりが少しずつ進んでいることがわかります。
| 1969年 | 「福祉のまちづくり」がスタート(仙台市) |
|---|---|
| 1971年 | 「福祉のまちづくり市民のつどい」が開催(仙台市) |
| 1973年 | 「歩道および立体横断施設の構造について」通達(現・国土交通省) |
| 1981年 | 国際障がい者年(国連) |
| 1983年 | 国連・障がい者の十年(1983~1992年) |
| 1990年 | 「ADA(障がいをもつアメリカ人法)」成立(アメリカ) |
| 1994年 | 「ハートビル法」制定 |
| 2000年 | 「交通バリアフリー法」制定 |
| 2006年 | 「バリアフリー新法」制定 |






